中国ルールのうんちく(2) ~コミ出しとセキ
コミ出し
中国ルールでは、片方が181.5を超えると勝ちである。
それにコミは7目半に相当する。黒は単位が184.25を割ると負けである。
まずセキはなしで、一局最後のダメヅマリの状況を見よう。
地合い | 最後にダメを詰めたのは | 黒の単位 |
---|---|---|
盤面6目 | 黑 | 184 |
盤面7目 | 白 | 184 |
盤面8目 | 黑 | 185 |
結論その1:半目勝負の場合、最後にダメを詰めた方が勝ちだとすぐにわかる。
これは日本ルールの場合と真逆である。コミが異なるから当然だ。
盤面8目の場合では、黒が最後のダメを詰めて1目の得をするが、勝負に影響はない。だから、小ヨセに於いて、ダメヅマリと1目のヨセが見合いとなることはある。
セキにはいろいろな形がある
中国ルールの勝負結果は、日本ルールと違う可能性は当然ある。
では具体的どのように違うのか。
欠け目
欠け目は普通、最後に手を入れるので、地にならない。
しかしセキの欠け目では、手入れの必要がない。手入れのない目は、やはり地である。
結論その2:セキの欠け目は、地に相当する。中国ルールの場合は計算に入れる。
眼あるセキ
中国ルール9条:両者の活き石の間のダメは、折半してそれぞれの単位に分ける。
眼なきセキの形では、ダメ2単位の半分を両方がもらうので、何も変わることはないが、
眼あるセキの形では、両方がともにダメ1個の半分、0.5単位をもらう。これでレアな状況が生じる。
(セキの場所は奇数に限って)眼あるセキの場合は、地合いはめいめい異なる。
地合い | 最後のダメ詰 | 黒の単位 |
---|---|---|
盤面6目 | 白 | 183.5 |
盤面7目 | 黑 | 184.5 |
盤面8目 | 白 | 184.5 |
上の表と比較してわかったのは、勝敗の変わり目が盤面6目と7目の間に移った。白番が確保するはずの1個のダメが、折半されることになった、とも言える。
結論その3:眼あるセキの場所が奇数あると、黒は1目得をするとみなしてよい。
眼なきセキ
ひと目でセキとわかる形だが、なかにダメは4つもある。
黒はどのダメも詰められないが、白はダメ2つも詰める権利がある。
よってここのダメは折半されるのではなく、白に隠れの2単位がある。
結論その4:片方しか詰めることができないダメは、片方の地である。
終局までに残しておくのだが、最後に詰めることはお忘れなく。忘れて詰めずに終局してしまうと、折半されてダメになる。
以上4つの結論は、形勢判断をする時にお役に立つとよい。